みなさんこんにちは、青山キリカです。
さて、
こんにちは、ドラム愛好家の皆様!
今回の記事では、ドラムの革命とも言えちゃう、AeroBand PocketDrum 2 Plusについてのレビューをお送りいたします。AeroBand PocketDrum 2 Plusは、従来のドラムセットとは一味違うアプローチで演奏を楽しむことができる電子エアドラムです。
僕は以前、高い防音性を誇る電子ドラム、TurboMeshKitを愛用しているという記事を書かせていただきました。
しかし、引っ越しに伴い、当時の住居よりも壁が薄いアパート行きになってしまった僕。電子ドラムの振動、音ですら騒音として追い出されかねない環境になってしまい、泣く泣くこれを手放すことに。
でもでも、ドラムを叩きたい気持ちは収まりません。
そこで出会った製品がこれ、AeroBand PocketDrum 2 Plus。

AeroBand PocketDrum 2 Plusは、センサーを搭載したスティックを振ることで、対応した位置にあるドラムを演奏したかのようなサウンドを鳴らしてくれます。まるで空中で演奏しているかのような不思議な体験ができちゃうんです。
こんな製品を発見してしまっては黙っていられません。早速購入したので、レビューを書かせていただきます。
AeroBand PocketDrum 2 Plusの詳細な特徴や使い方、さらには演奏体験について詳しくご紹介していきますので、お楽しみに!
Youtubeにもレビュー動画を投降しました。あわせてお楽しみください。
AeroBand PocketDrum 2 Plusの概要

それでは早速商品の開封を、と行きたいところですが「エアドラムってなんぞや」となってしまいそうなので、ざっくり概要からお話ししていきます。
PocketDrum 2 Plusは、通常のドラムを叩く代わりに、センサーを搭載したスティックを振ることで、対応した位置にあるドラムを演奏したかのようなサウンドが再生されます。
よく、「机などに振動センサーをつけることで、机を叩いた場所に応じてドラムの音声が鳴る」という製品がありますが、このPocketDrum 2 Plusはそもそも何かを叩く必要がありません。
PocketDrum 2 Plusは空中を叩くことによって音を鳴らします。そのため、何かを物理的に叩く振動がなく、極めて静かに演奏を楽しむことができます。

赤ちゃんが寝ている部屋だって問題なし!
「何も叩かないで音が鳴るってことは、叩いた感触はないの?」
とお思いになるかもしれませんが、スティックに搭載されたバイブレーションで叩いたフィードバックがあります。

Nintendo Switchのコントローラの振動に近い揺れ方をするよ
さらに、PocketDrum 2 Plusは高い感度と正確性をあわせ持っているため、かなりリアルな演奏を再現します。
PocketDrum 2 Plusには、スティックを振る速さに応じて音の強弱を自然に表現する仕組みが備わっています。これにより、まるで本物のドラムセットを演奏しているかのような臨場感を味わえます。
PocketDrumシリーズは専用のアプリを使用して操作することができます。アプリをスマートフォンやタブレットにインストールし、Bluetooth接続で連携させることで、さまざまな演奏モードや設定を利用することができます。また、アプリ内には様々な音色やプリセットが用意されており、自分の好みに合わせてカスタマイズすることも可能です。
旧機種ではこのアプリケーションの利用が必須でしたが、PocketDrum 2 Plusでは本体のみでの演奏も可能に。

こういった製品は「アプリの更新が打ち切られました」ということも多いため、本体だけでも役目を果たしてくれるのは本当に大事

ぶっちゃけこのアプリ自体は評価がめちゃくちゃ悪いので一度も使ってません。
アプリと連携して遊び方を広げるのもよし。単体でお手軽に楽しむこともOKな万能さが嬉しいですね。
ちなみに、スティック単体で遊ぶ場合でも8種類のサウンドを切り替えることができ、アプリがなくてもバリエーション豊かな演奏が楽しめます。
総じて、PocketDrum 2 Plusは、初心者から上級者まで幅広いレベルのドラム愛好家にとって魅力的な選択肢だと言えます。静かな環境での練習や移動中の演奏など、とにかく場所を選ばない点が魅力です。
「場所が無くてドラムが置けない」「騒音が不安だからドラムが置けない」という人のニーズに応えつつ、「ドラムは持っているけど、それとは別にいつでも練習できると嬉しいな」というニッチな要望にもぴったりな一台です。
AeroBand PocketDrum 2 Plusの製品紹介
それでは、実際に製品を開けてみましょう。いざ、開封の儀!
届いた時点でボコボコの箱!もはや安心感を感じるチャイナクオリティ。

天面にAEROBANDのロゴがおしゃれ。

背面にはザックリとした説明が書かれています。日本語はないので雰囲気でお楽しみください。

側面には内容物が書かれています。

反対の側面には製品の特長が書かれています。

背面下部にはカラーバリエーションが書かれています。今回はWOODのデザインを購入しましたが、ホワイトもかわいいですね。

ではでは開封!

まずはマニュアルを。冊子の形になっている時点でちょっと評価が高いです。

外箱には日本語はありませんでしたが、説明書にはしっかり日本語の説明が書かれています。

説明書と上部のスポンジを取ると、本体が登場!

順番に見ていきましょう。まずはスティック。見た目は普通の木製スティックですね。電源ボタンが特徴的です。重さも至って普通のスティックで、特に重心が偏っているような持ち心地の悪さも感じません。

底面には充電用のType-C端子があります。ここだけが唯一のガジェット感を感じさせる要素。

続いてレシーバー。各パーツ同士をBluetoothで接続してくれる魂担当です。

背面にはクリップがついているため、襟元などにセットすると使いやすいです。

Type-C端子には充電・MIDI OUT端子機能がついています。充電だけでなく、PCへ楽器としてMIDI接続する機能が備わっています。

反対の側面には3.5mmイヤホンジャックが二つあります。
ひとつは音声入力で、スマホやパソコンから音を再生しつつ演奏することが可能です。もう一つの端子は音声出力で、有線イヤホンを接続することが可能です。

続いて、フットペダルがこちら。シリコン製?の柔らかいスイッチを足で踏む仕組みです。ペダルをリアルに踏む感触とは大きく異なりますが、コンパクトさを優先したデザインですね。


旧モデルは「足にセンサーを張り付けてその動きを感知する」という仕組みだったみたい

今回のモデルはスイッチ式なので、誤感知しづらく正確な演奏が楽しめます。
背面には簡単なゴム足がセットされていますが、可能ならより良いすべり止めを追加してあげたほうが演奏しやすいです。割とツルツル滑っていなくなります。

こいつも充電にはType-C端子を使います。

レシーバーと接続することでバスドラムスイッチが青く光ります。

あとは愉快なケーブルたちがたくさん入っています。

「USB-AからUSB Type-C2本を充電できる」という見たこともないケーブルが2本ついてきました。データ読み込み等の実験をしてみたくてワクワクしますが、ありとあらゆる規格に合わなそうなので充電にしか使いません。

Type-C2本を一つのUSB出力から充電できるため、スティック2本を同時にチャージできます。

ペダル、レシーバー、スティック2本の充電をUSB2つでまとめてチャージできちゃうのは便利です。


見た目に反してコンパクトに収まりそう
AeroBand PocketDrum 2 Plusの使い方
では、実際に動かしてみましょう。今回の説明ではアプリ、PCとの接続はせず、PocketDrum 2 Plus単体で利用します。
まずは、それぞれのパーツを接続します。とはいっても、難しい要素はありません。両方のスティック、フットペダル、受信機の全てを起動します。ペアリング中であればLEDが点滅し、ペアリングが完了すると常時点灯になります。写真だと見づらいですが、スティックの電源マークも青く光っているのがお分かりいただけますでしょうか。


特に「初回だけペアリング作業」みたいなのもなし。

購入→充電→電源ONで全てがつながります
次に、受信機のオーディオ出力端子にイヤホン・ヘッドホンを繋ぎます。ワイヤレスイヤホンを繋ぐことはできなさそうです。
最後に、スティックの位置を初期化します。これが極めて重要なので心して実施してください。

スティックを両手に持ち、
- 45度の角度に開くように、スティックの先端を合わせる
- 床と並行に持つ
という状態にし、左右スティックの電源ボタンを短く押します。
すると、スティックが振動し、リセット完了をフィードバックしてくれます。この角度がニュートラルポジションとなり、「この位置からどの角度だけ回転しているか」によって叩いているドラムを判断します。

極端な話、演奏中にもこまめにリセットをかけてベストポジションを維持します。
この状態になれば準備は完了です。初期化(リセット)した位置がちょうどスネアドラムとなり、それらを中心に各ドラムが配置されます。あとは思うがままにスティックを振るってください。
床と並行に振ると、左からハイハット、スネア、タムが鳴ります。高い角度で振る(具体的にはおじいちゃんに肩叩きをしてあげるように振る)と、左からシンバル、タム、タム、シンバルが鳴ります。
注意事項として、このスティックは「位置」ではなく「角度」のみでドラムの位置を判断します。
- 「平らに振るか肩叩きの角度で振るか」
- 「それが初期位置から左右にどれくらい回転しているか」
でしか判断していません。

極論、腕を一切動かさず、手首だけひねれば全てのドラムがその位置で叩ける仕組みです
そのため、床と並行にリセットする際、正確にやらないと欲しいドラムが欲しい場所に召喚されません。
これがかなり曲者で、慣れるまでかなり時間を要しました。また、誤爆も多く、なんの盛り上がりでもない箇所で急にクラッシュシンバルがどかーんと鳴り響くこともあります。
実際にドラムが見えないことによる最大のデメリットあり、はっきり言ってこれはストレスです。
常にピッタリ同じ位置でリセットをかける訓練と、その状況下でどのドラムがどの位置に(正確には自分の叩く癖と角度が一致するポイントに)あるのかを把握してからがこのドラムの真髄です。

こいつは「欠点は大きい。けど、欠点を補って余るほど長所が強い」っていうじゃじゃ馬です
演奏の際には、スティックを振るだけでなく、強弱やタイミングの表現にも意識を向けてみてください。これがPocketDrumの強みであり、実際のドラムセットに近い演奏体験を得ることができますよ。
AeroBand PocketDrum 2 Plusの利点と欠点
AeroBand PocketDrum 2 Plusには、さまざまな利点がありますが、同時にいくつかの欠点も存在します。ここでは、AeroBand PocketDrum 2 Plusの利点と欠点について詳しく見ていきましょう。
演奏する場所を選ばない

AeroBand PocketDrum 2 Plusは、ドラムセットの実際のドラムがないため、場所を選ばずに演奏を楽しむことができます。通常のドラムセットでは大きなスペースが必要ですが、AeroBand PocketDrum 2 Plusならば、座る椅子一つさえあればいつでもどこでも演奏が可能です。
実物のドラムならば設置した場所でしか演奏できませんが、PocketDrum 2 Plusならば日によって気分で変えることも簡単。天気がいい日は窓際にノートパソコンと共に設置して演奏、なんてことも簡単!

面白い例だと、車の中でも演奏できちゃうね
騒音が出ないため環境を選ばない

AeroBand PocketDrum 2 Plusは演奏時に何かを叩くことがないため、騒音を気にする必要がありません。夜間や集合住宅などの音に制限がある場所でも、静かに演奏を楽しむことができます。また、ヘッドフォンジャックも搭載しているため、個人的な練習にも最適です。

演奏中にスティックがすっぽ抜けた時だけはうるさいけどね
MIDI接続し、DTMへ利用できる

AeroBand PocketDrum 2 Plusは、MIDI接続に対応しており、パソコンや音楽制作ソフトと連携して使用することができます。これにより、ドラムトラックの作成や音楽制作において、AeroBand PocketDrum 2 Plusを活用することができます。自宅でのDTM環境を構築している方にとっては、非常に便利な機能です。
PocketDrum 2 Plusは音の強弱が表現できるため、手で単調に打ち込んだ音符と異なり、自然なアクセントやゴーストノートが反映されます。より自然な音楽づくり、グルーヴ感のある演奏を演出するために「ドラム打ち込み用のMIDIコントローラー」として購入するのも楽しいと思います。

DTMならば後から修正ができるため、PocketDrumの「時折間違えたドラムを叩いちゃう」問題も打ち消せちゃいます
ドラムの姿が見えないため、予定と異なる音が鳴る

AeroBand PocketDrum 2 Plusは、センサーを搭載したスティックを振ることで演奏しますが、ドラムの実体がないため、予定していた音と異なる場合があります。演奏する際には、正確な位置や強さでスティックを振る必要があります。初めて使う場合は、慣れるまで調整や練習が必要となるかもしれません。というか絶対になります。慣れるまではひたすらイライラです。
叩かないことにより、跳ね返りが利用できない

叩かないということは、跳ね返らない。
ドラムの演奏では、ドラムを叩いた反動によりスティックが手元に跳ね返る勢いを利用して叩く奏法がありますが、これが全くできません。
ロールのような高速連打はもちろん、LLRRRLのような簡単な2連打も全て手首の力で行う必要があります。ドラムに精通している方にとっては物足りなさを感じるポイントになってしまうかと思います。
スティックを鳴らせない

ドラムでは演奏技法として、スティック同士をぶつけてカチカチ鳴らすものがありますが、PocketDrumでは御法度。
というのも、スティック同士をぶつけるとほぼ100%ジャイロセンサーが狂います。演奏中にうっかりスティックがぶつかると、次の瞬間からはもう欲しい音が出ません。位置リセットを行えばすぐ解消するものの、ライブ本番なんかでは致命傷につながりかねません。
まとめ
ということで、AeroBand PocketDrum 2 Plusのレビューでした。
AeroBand PocketDrum 2 Plusは、
- ドラムの実態がないため、場所を選ばず、狭いスペースでも手軽に演奏できる
- ドラムを物理的に叩く音を発生させないため、静かな環境でも自由に演奏可能
- MIDI接続し、音楽制作において、簡単にドラムトラックを作成することができる
といった強い魅力があります。
これらの利点により、音楽制作においても幅広い活用ができるため、音楽制作者にとっても魅力的なツールとなるでしょう。
個人の感想としては、
「ナンバーワンじゃないけどオンリーワン」
という評価です。
演奏中にイライラさせられる場面は多いですが、それ以上に魅力的な側面も多く、他の製品では真似できない満足度があります。
全体的に、AeroBand PocketDrum 2 Plusは、ドラム愛好家や音楽制作者にとって魅力的な選択肢となることでしょう。手軽に演奏を楽しみたい方や、音楽制作においてドラムトラックを作成したい方に特におすすめです。

以上で、AeroBand PocketDrum 2 Plusのレビューを終わります。この製品が、皆さんの演奏体験や音楽制作に新たな可能性をもたらすことを願っています。