みなさんこんにちは、キリカです。
今回の記事はSHOKZのハイエンド骨伝導ヘッドフォン、SHOKZ OPENRUN PROのレビューとなります。
この製品には以前から興味があり、電気屋に通っては何度も何度も視聴し、とうとう購入するに至りました。
骨伝導ヘッドフォンは万人が持っているような製品というよりかは、ガジェット好きが手に取り、その魅力を世に広め始めたような段階の製品です。僕もそうしたガジェット好きの一人として、骨伝導ヘッドフォンを購入したのですが、皆様に言いたいことは一言。
これは手放しに褒められる製品ではない。
製品の特性を知っていないと活用できない
ということで、今回は僕が骨伝導ヘッドフォンを購入した理由と、SHOKZ OPENRUN PROのレビューをお話させていただきます。
SHOKZ OPENRUN PROを買った理由
イヤホンで耳が物理的に痛くなるのを回避
僕は会社の勤務時間を除くほぼすべての時間、イヤホンをつけています。このときに困るのが、耳の中が痛くなること。僕は肌が弱い方なので、長時間イヤホンをつけていると耳の中が荒れてしまいます。また耳の中の軟骨も長時間装着している圧力で痛みを感じるようになりました。
骨伝導ヘッドフォンは耳の中への装着ではなく、耳の骨にぴたっとくっつけて使用します。つまり、耳の中を開けた状態で音楽を聞くことができます。
骨伝導ヘッドフォンの中でもSHOKZの製品は特にしなやか。他メーカーの骨伝導ヘッドフォンは「機械っぽさ」が残っていて硬く、長時間つけていると耳が痛くなるデザインのものも多い印象です。SHOKZの骨伝導ヘッドフォンは柔らかくしなやかで頭部への負荷が低いです。おそらく骨伝導ヘッドフォンの中でも群を抜いてつけ心地が良いと思います。
そういった面からも、SHOKZの骨伝導ヘッドフォンは僕の用途にあっていたと言えます。
耳をふさがずに屋外で使う
イヤホンをした状態で屋外を歩くと、その遮音性から周囲の状況を確認するのが難しくなります。骨伝導ヘッドフォンは耳をふさがないため、周りの車や自転車に気遣いながら音楽を楽しむことが可能です。
願わくば自転車に乗っている際にも装着したいのですが、「自転車運転中は耳をふさがない骨伝導ヘッドフォンであっても使ってはいけない」という事例も出ているようなので、安全を考えて今回の目的からは外します。
耳をふさがないから「カゴに積んだラジカセを爆音で響かせている人」と同じでセーフだとは思うんだけど…
調べてみても、地域によって交通における骨伝導ヘッドフォンに関する扱いはまちまちみたい。
通常のイヤホンと同時に2つの音を聞く
これは本来のSHOKZ OPENRUN PROに求められる使い方とはおそらく異なりますが、僕が一つ目的としているのが「一般的なイヤホンとの同時使用」です。
骨伝導ヘッドフォンは耳をふさがないため、実は同時に通常のイヤホンを耳に入れることが出来ます。
僕はNintendo Switchでゲームしながらボイスチャットすることがあり、その度に「より快適なボイスチャットの方法」をいろいろ試行錯誤していました。今まで使ってきた方法は以下の記事でまとめたものですが、「骨伝導ヘッドフォンで通話 + 有線イヤホンでゲーム音を聞く」というのが出来るとシンプルで嬉しいです。
SHOKZ OPENRUN PROを開封レビュー
それでは早速SHOKZ OPENRUN PROを開封していきましょう。
箱を開けると、箱の大きさと同程度のハードケースが登場。
SHOKZ OPENRUN PROはその形状を保ったまま保管しなければいけないため、ハードケースがセットなのは嬉しいですね。ただ、持ち歩きの際にケースの重さを考慮しなければならなくなるため、本体の圧倒的な軽さというアドバンテージが減ってしまうのはちょっと悲しいところ。
さらに開けていくと、ヘッドフォン本体とケーブルが登場。
まず驚かされるのは、その軽さ。およそ音楽機器とは思えない圧倒的な軽さに言葉を失いました。数値としてはたったの29gとのこと。チタニウムのバンドは柔らかく、丈夫さがありつつもしなやかに頭へフィットします。
正直不満点が多いのはこの充電ケーブル。OPENRUN PROは充電に専用のケーブルを必要とします。このケーブルがないと充電ができませんし、このケーブルは片側がUSB-A端子です。手持ちのケーブルを減らしたい僕としてはType-Cでの充電に対応していれば文句なしでした。
SHOKZ OPENRUN PROの持つ強み
さて、ここからはしばらくOPENRUN PROを使ってみた率直な感想と、自身の目的が叶ったかそうでないかをまとめていきます。
耳への負担が小さい
最大の目的として想定していた「耳への負担」ですが、快適の一言です。耳にモノを詰め込まずに音楽を聞くことがこんなに快適だとは…と再確認させられました。
我が家は集合住宅なのでスピーカーで音楽を聞くことが出来ません。SHOKZ OPENRUN PROはそんな環境でもスピーカーで音楽を聞くような快適さを提供してくれました。
散歩・ランニング時の相棒として骨伝導ヘッドフォンは最適
SHOKZ OPENRUN PROに限らず骨伝導ヘッドフォンには音漏れがあります。なので、カフェや図書館と言った閑静な自宅外の環境でOPENRUN PROを使うのはちょっとむずかしいのかな、というのが素直な感想です。
むしろ、SHOKZ OPENRUN PROの恩恵が大きいのは、散歩やランニング。
周りの状況に耳で気を遣う環境かつある程度騒音がある状況ならば、自身の音漏れがはあまり気にする必要がなく、周りの騒音の中で自分に害があるものをきちんと聞き分けることが可能です。
普通のイヤホンとの併用は”通話目的”ならアリ
特にゲームでのボイスチャットを目的として、骨伝導ヘッドフォンと通常イヤホンの同時使用を行ってみました。
結論として、「ボイスチャットならばなんとか可能」という感じです。
通常のイヤホンで耳をふさいだ状態で骨伝導ヘッドフォンを利用すると、水の中で音を聞いているような音質になります。
耳から音を流し込むわけではないけど、耳やその周辺がふさがっていると明らかに響きが違う。
これで2つの音楽を同時に聞くのは少々無理がありました。
ですが、あまり音質を求めない通話においては話は別。
- 通常の有線イヤホンをゲーム機につなぎ、遅延なく音声を楽しむ
- 耳が塞がっていてもSHOKZ OPENRUN PROならDiscordで通話できる
という恩恵を受けることが出来ました。
逆に「耳をふさいだ状態でゲーム機にOPENRUN PRO」とするとさすがに音質が悪いから注意
SHOKZ OPENRUN PROに感じる不満点
さて、ここからはしばらくOPENRUN PROを使ってみて気づいた弱み、注意すべき点をまとめます。ここには、買う前にもちろん分かっていた問題や、SHOKZ製品に関わらず骨伝導ヘッドフォン全体が持つ問題などもあります。
同価格帯のイヤホン、ヘッドフォンより音質が劣る
これはもう当たり前のことなのですが、改めてはっきり確認しておきましょう。
骨伝導ヘッドフォンは同価格帯のイヤホン、ヘッドフォンの音質を期待するとがっかりします。
それは言うまでもないことなのですが、OPENRUN PROは2万円程度するため、同価格帯のイヤホン・ヘッドフォンをイメージすると(イヤホン沼の住人でない限りは)かなり良い製品が買える金額ですね。音質を求めるならばOPENRUN PROではなくそちらの製品を買うべきです。
しかし、骨伝導ヘッドフォンというジャンルの中で比較すると、OPENRUN PROはとんでもなく高音質で、他の骨伝導ヘッドフォンでは困難だった重低音の表現が非常に豊かです。
音楽を楽しむという用途を主軸に置くよりは、通話やラジオなどの人の声を流すツールとして使うのが良いかと思います。
音漏れがある
骨伝導ヘッドフォンの評価を見ると必ず話題に上がるのが、”音漏れするか”という話ですね。
これもはっきり言いますが、音漏れします。
「骨伝導」と言われると「なんか頭の中に直接響いてくる魔法」というように聞こえますが、イメージとしては耳元に耳の外を向いたイヤホンがあるイメージでしょうか。しっかり音漏れはします。
具体的には、楽しく聞ける音量で再生した場合、電車で隣りに座っている人からは何の音楽を聞いているか即答されるのではないか?と感じます。(これはデータに基づいた話ではなく、製品を触った僕の主観です。)
まぁこれは普通のヘッドフォンでも大音量で音漏れさせている人もいるため主観です。
SHOKZ OPENRUN PROは何世代も骨伝導ヘッドフォンを作成してきたノウハウがふんだんに投入されているため、他の製品に比べて音漏れがかなり軽減されています。
頭が締め付けられる窮屈さがある
OPENRUN PROは骨伝導なので、スピーカー部分が耳からこめかみ付近に押し当てられるという構造になっています。これにより、わずかに頭部が左右から押さえられている圧力を感じます。
だいたい頭に輪ゴムを一本くらい巻いているのが続くイメージでしょうか。僕は頭痛持ちなのでこれがちょっと気になります。
とはいえ、このレビューを書いているのがOPENRUN PROを使い始めてまもない段階なので、新品特有の硬さが残っているというのも大きいと思います。ある程度使い続け、装着感に慣れるとともに本体が柔らかくなってくるともっと快適なつけ心地になるかな、と期待しています。
実際、この記事を書いている間にはもう装着していることを忘れているくらいです。
充電に独自端子のケーブルが必要
これはSHOKZ OPENRUN PROへの率直な不満点。OPENRUN PROは充電に専用のケーブルを使用します。このケーブルがないと充電ができませんし、このケーブルは片側がUSB-A端子です。
骨伝導ヘッドフォンは屋外で使うことも多く考えられるため、専用のケーブルをわざわざ持ち歩かないといけないのはストレスです。
SHOKZの安価なモデルであるOPENMOVEはType-Cでの充電に対応。正直それを目当てにそちらのモデルにすることも検討しました。専用ケーブルの紛失や破損に怯えなければいけないのは明確なデメリットです。
防水性能を確保するためのデザインなのかな?
まとめ
ということで、SHOKZ OPENRUN PROのレビューでした。
記事の後半ではいくつか不満点を挙げたものの、逆に言うと不満点以外は非常に満足度の高い製品でした。
希望通り耳への負担が大きく下がり、長時間のリスニングにも耐えられます。音楽を聞くよりは人の声を聞く用途に向いているため、テレワークやビデオ通話などの長時間の仕事のお供にするのがオススメです。
音漏れするから機密情報を通話で喋ると聞かれるかもしれないけど
通常のイヤホンと比べると非常につけ心地が軽く、本当にずっと付けていられます。常に身近においておく相棒として末永く使っていこうと思います。